梅雨をテーマとする浮世絵で遊ぶ
前回と順序が逆になってしまいましたが、今回は「梅雨をテーマにした浮世絵」を題材に、詩で遊んでみましょうか。
渓斎英泉 画 初夏の雨
荒梅雨に 馳せ参じたり 渋蛇の目
(あらつゆに はせさんじたり しぶじゃのめ)
やや強い夏のはしり雨。渋蛇の目を手に雨の中走ってお迎えに。
渋蛇の目なぞは艶っぽい方しか似合いませぬ。
傾城自から迎えに上がる。小刻みに小さく早足で走る花魁のかんざしも揺れて。
雨の季節は心が火照ります。
次は、歌川国芳 画 橋立雨中雷
稲妻を 分けて漕ぎ出す 板三尺
(いなずまを わけてこぎだす いたさんじゃく)
漁師となれば向こうっ気が強いものとされている。たかが稲光くらいで漁に出るのを臆するなどもっての外。
こちとら板子一枚下には地獄があるってもんだ。笑わせてもらっちゃ困る、と稲妻の走る中、三尺の船で沖に漕ぎだす漁師たちの心意気。
さて今回も浮世絵を題材に二首お送りしました。
これってシリーズ化しちゃいそうです(笑)
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